鵺悲哀物語

伊豆長岡温泉鵺悲哀物語

伊豆長岡温泉鵺悲哀物語 私たち伊豆の国市商工会青年部は、西暦2000年より、さまざま文献や、研究者、関連の人たちの協力による郷土歴史研究を積み重ねてまいりました。 そして、2006年、『伊豆長岡温泉鵺悲哀物語』として、創作民話を製作することができました。 平安時代、この町の出身である菖蒲御前と、希代の武士(もののふ)である源三位頼政に、伝説の大妖怪「鵺」が、人と妖怪の壁を越えた三つ巴の哀しみと慈しみの物語です。ぜひ、ご一読ください。

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            問い合わせ:伊豆の国市商工会伊豆長岡支所
                    伊豆の国市商工会青年部研修部会

鵺


鵺は山神の一種である。容姿は顔が猿、身体が虎、尻尾が蛇という醜く恐ろしい形相。
伊豆長岡の森の岩に人間に対する「憎しみ」を封じ込めたが、岩の美しさに惹かれた鳥羽院により京の御所に持ち帰られたことで、解き放たれた「憎しみ」が災いを与えてしまう。
後に鳥羽院の命を受けた源頼政に退治されるが、幼少の頃出会った菖蒲の身を案じ、慕いつづける。
鵺

菖蒲

菖蒲
殿上人某罪のため伊豆長岡古奈に嫡居中の父が、某女と契って菖蒲を生んだ。(場所は定かではないが、現南小学校前だといわれる)
七歳のとき、父上人許され京に上り、十六歳で鳥羽院に使えて宮女となった。
幼い頃、長岡の森にある「堅く契られた神」の前で鵺に心救われる。後に源頼政と結婚する。

源頼政


数々の武功と、風流をたしなみ歌聖藤原俊成をして「いみじき上手」といわしめる、まさに文武にたけた希代の侍。
世は平家全盛の時代、源氏の身の上でありながら唯一人、清盛に信頼され宮中に仕えていた。
菖蒲に思いを寄せ、鵺を退治したことで鳥羽院から菖蒲との結婚を認められる。
源頼政